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GIANTの売りと評判

自社生産による高いコストパフォーマンス

GIANTが発展し続ける大きな理由として、高いコストパフォーマンスが外せません。
これは地の利でもありますが、GIANTはアジアを中心に自社工場を確保し、フレーム製造をすべて自社で行うことで大幅なコストダウンを計っています。
安いメーカーは探せばいくらでもありますが、GIANTはOEMを受け、早い段階でレースの場で洗練された高い製造技術を持ち、それを低価格で実現していることが最大の売りです。
日本市場においては、「スポーツブランドで低価格」という評判から、ロードバイクやマウンテンバイクなどはもちろんクロスバイクの販売数が多く、ESCAPE R3は街中で見ない日がないほど売れている人気モデルとなっています。

現在はスポーツ自転車ブランドも各社低価格化をはかり、エントリーモデルのラインナップを増やしていることからコスパ最強という評判は影を落としています。
しかし本当の意味でのコストパフォーマンスとなるとやはりGIANTは突出していて、パーツ構成や素材でワンランク上のものを採用し、同価格帯でも差別化を図っています。

アルミフレームの評価

GIANTはアルミフレーム製造技術で世界随一と言っても過言ではありません。
今でこそアルミロード最強と言えばcannondaleのCAADというイメージがありますが、それまではアルミといえばGIANTといわれるほどの評判を持っていました。

GIANTが確立した「ALUXX」というアルミチューブの成型技術では、素材の特性にあわせたフレームの設計を可能にし、軽量でかつ剛性を確保し、乗り心地も両立するトップクラスの技術を有しています。
CAADがアルミロード最高の軽さを重視しているなら、GIANTのアルミロードはトータルバランスで高い完成度を重視しています。

特徴的にはダウンチューブを太くし、基礎的な強度を確保した設計が目立ちます。
これによって肉薄なチューブでも十分な剛性を確保しているのでしょう。
管理人所有のTCRはALUXX SLですが、フレーム単体で約1kgの超軽量でありながら、ガンガン漕いでも沈まない高い剛性を確保できているのは正直ナゾの技術です。
これからレースを目指してロードバイクをはじめる方、かつ予算を抑えたい方に自身を持っておすすめできるのがGIANTのアルミロード、特にTCRシリーズだと言えます。

カーボンフレームの評価

カーボンは高価というイメージを覆したのもGIANTです。
市販のロードバイクではじめてフルカーボンを採用したのはGIANTといわれており(諸説あり)、人気を博しました。
通常カーボンシートは既製品を購入し使用するのが一般的ですが、GIANTは自社工場で繊維の選定からカーボンフレームの製造を行います。
これはコストダウンだけでなく、フレームのトータル設計を自在に行えるということでもあるので大きなメリットです。

GIANTのカーボンロードは、全体的に硬いという評判をよく聞きますし、管理人自身実感しています。
おそらく使用している樹脂の関係かと思いますが、YONEXやニールプライドのような柔軟性を期待してGIANTのカーボンロードを選ぶと少し期待はずれかもしれません。
実際折れたフレームを見てみると、樹脂に固められた繊維がみっちり入っていて、剛性は高そうな印象を持ちます。
あくまで乗り心地が悪いわけではないので、ここは好みの問題になるかなと思います。
逆に強度が高く硬いとなるとマウンテンバイクでのメリットが大きくなり、衝撃吸収はサスペンションギミックに任せて、フレームは軽量高剛性で振動の吸収性に優れたカーボンとなれば高い走行性能が期待できます。

ロードバイクの評判・評価

GIANTのロードバイクはどれも高い評判を得ています。
管理人も所有していますが、申し分ない高い完成度だったと実感しています。
一昔前は「安物買い」「所詮中華メーカー」という声も聞かれましたが、現在は欧米系メーカーと何の遜色もありません。

「アルミの評判が良い」「カーボンの評判が良い」「このモデルは他の追随を許さない」といったメーカーは数あれど、「すべてのラインナップが堅実」というメーカーはGIANTぐらいではないでしょうか。
特に早い段階でロードレースを主戦場としたことで、レースグレードのロードバイクにはオーソドックスかつ堅実な設計を感じられます。

反面「面白みに欠ける」という評判も耳にしますが、管理人もこれには納得しています。
というのも、どれも良い意味で乗りやす過ぎて独特の特徴があまりありません。
もちろん成績を残したいレースであればこれ以上ないメリットですが、ファンライドで自転車と対話しながら乗りたいユーザー(管理人含め)からすると、少し物足りなさを感じるのも事実です。
裏返せば安定しているとも言えるので、最初の一台を選ぶときにGIANTから始めれば間違いないともいえます。

マウンテンバイクの評判・評価

GIANTはマウンテンバイクも多数ラインナップしていますが、シェアはあまり高くありません。
というのも、GIANTのメインはやはりロードバイクから派生したオンロード系で、オフロード系のマウンテンバイクは少し後出しじゃんけんになってしまっているからでしょう。
管理人もためしにハードテイルのマウンテンバイクを購入してみましたが、もちろん物が悪いわけではありません。
ただ、本格的にマウンテンバイクとして使用するならもう少しお金を出して他のメーカーでもいいかもと思ったのも事実です。
マウンテンバイクはファンライドでも「山道を走る」という目的から、フレームはもちろんコンポ類にもこだわらなければ安心して楽しめませんが、管理人が購入した当時のGIANTのマウンテンバイクは少しコンポやタイヤが心もとなかったからです。

もうひとつシェアを伸ばしきれなかった理由として、27.5インチ(650B)にこだわりすぎたという印象もあります。
GIANTは27.5インチタイヤの登場当初から数多くのラインナップを展開してきましたが、一方でマウンテンバイクにおいてもうひとつの主力であった29erのラインナップを削減してしまったことでシェアを失ってしまったのです。
現在では29er採用モデルや、29erに対応したフレームのラインナップを増やしているのでここに関しては問題ないでしょう。

オフロード系のプロチームやサポート選手も抱えていますし、マウンテンバイクのパーツに強いメーカーとも関係を深めているので、これからの発展に期待したいところです。

クロスバイクの評判・評価

GIANTの自転車で日本市場の中心にあるのは間違いなくクロスバイクといえます。
特にESCAPE R3の販売数はスポーツ自転車メーカーのクロスバイクとしては突出していて、そこからスポーツ自転車に興味を持ったユーザーはGIANTを中心にロードバイクの購入を検討するからです。

ラインナップも特に充実していて、数こそTREKに劣っていますが、それぞれのモデルの独自性に関してはGIANTがスポーツ自転車メーカートップといっても過言ではありません。
たとえばESCAPE R3は待ち乗りを想定した乗りやすさを確立し、かつコストパフォーマンスがよくエントリーユーザーから高い人気を誇っています。
同じESCAPEシリーズのRX3は、ESCAPEをベースに走行性能にも重視したモデルで、R3と比較され人気のモデルとなっています。
これだけでなく、低価格のサスペンション付きモデルのSNAP、サスペンションなしのオフロード兼用モデルのGRAVIER、その実質的な上位互換モデルのTOUGHROADなど、独自設計のラインナップが非常に多いのです。

驚くべきはそのそれぞれがまったく別の顔を持っていて、どれも独立した魅力を有していることです。
ESCAPE R3以外のシェアは高いとはいえませんが、たとえばロードバイクを持っていて、普段使い用にクロスバイクが欲しいと思ったときに、目の肥えたユーザーに向けたようなラインナップになっています。
他のメーカーもクロスバイクに注力していますが、「クロスバイクならGIANT」の牙城を崩せるメーカーは現在のところ存在していないと言えるでしょう。

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