ロードバイクブームの陰に隠れがちですが、スポーツ自転車ブームでロードバイクより売れているのがクロスバイクです。

私の勤めていたショップにおいては、ロードバイクが1台売れるうちにクロスバイクが3~4台は売れていました。

それだけ注目度の高いクロスバイクですから、もちろんメーカーも放ってはおきません。

毎年志向を凝らしたモデルを発売し、その分ユーザーからすれば目移りしてしまうでしょう。

そこで今回は、管理人が試乗した多数のクロスバイクから、初心者が絶対にチェックしておくべきクロスバイクを3つのジャンルに分けて、15モデルご紹介します。

せっかく試乗しているので、それぞれのモデルのメリットデメリットなどレビューを添えて紹介していこうと思います。

ちなみにスポーツ自転車メーカーなので、安いものでも5万円台からになります。

ルック車であればもっと安いクロスバイクもたくさんありますが、ルック車のリスクに関してはこちらに紹介していますのでよろしければ一読くださいませ。

初心者を悩ませる「ルック車」とは?本当に買うべきではないのか

 

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コスパ優秀クロスバイクトップ5

クロスバイクを買う動機として多いのが、「価格が比較的安いから」というのが非常に多いです。

実際、メーカーもどんどん低価格モデルを打ち出しユーザー獲得を目指していますが、私に言わせれば重要なのはあくまでも性能。

そこで、まずは価格と性能のバランスを見て、真のコスパを両立したモデルを紹介します。

 

5位:GIANT ESCAPE R3

コスパのクロスといえば外せないのが、やはりGIANTのESCAPE R3でしょう。

管理人調べの販売数はダントツで、ロングセラーの定番モデルです。

走行性能に突出したものはなく、普段ロードバイクに乗っている筆者からすれば、むしろやわらかくてやや乗りにくい印象すらあります。

しかし52,000円と考えれば十分すぎるほどの仕上がりで、粗らしい粗も見当たりません。

2020年モデルからは30cの太目のタイヤを標準装備したことで、さらに普段使いにおける乗り心地は向上していることも期待できます。

カラーバリエーションも多いので、ユーザーにぴったりのスタイルを決められるのもうれしいですね。

唯一昔から言い続けている難点がVブレーキだということ。

コストを考えればVブレーキになるのかと思いますが、スポーツ自転車入門として購入されることの多いモデルということを考えれば、改造してサイクリングにも利用されるかと思います。

そう考えればキャリパーブレーキにしたほうが扱いやすそうですが、入門ユーザーにはなかなかわかりにくいこだわりなので仕方ない部分もあるのかもしれません。

一応ディスクブレーキタイプもありますが、62,000円という価格だけを見てしまうと、どうしてもESCAPE、もしくはGIANTがいいというユーザー以外にはあまりメリットが見出せません。

通勤通学や軽いサイクリングなど、深いこだわりはまだないけどスポーツ自転車に挑戦してみたい方におすすめのモデルです。

 

4位:GIANT CROSTAR

個人的にはESCAPE R3よりもおすすめなのがCROSTAR(クロスター)です。

なんといってもこのモデルの売りは軽量であるということ。

同クラス(6万円以下で16速のクロスバイク)において最軽量の9.7kg。

6万円以下といっても6万円ぎりぎりではなく、56,000円とESCAPE R3との価格差もわずか4,000円です。

構成パーツを考えれば、低予算のカスタマイズで8kg台も十分可能でしょう。

フレーム性能的な乗り心地はESCAPE R3と大差ないですが、やはり軽量化の恩恵は大きいですね。

実用重視ならESCAPE R3、スポーツ走行もしたいならクロスターがおすすめです。

ただデメリットがないわけではなく、やはりこちらもVブレーキ装備なのがネックです。

せっかくの軽さを生かしてスポーツ走行するなら、停車重視で速度を調整する能力に劣るVブレーキにはデメリットが大きいので、やはり速度を調整しやすいキャリパーブレーキを載せてほしかったところ。

欲を言えばフォークもカーボンにしてほしいところですが、そうなると価格がかなり変わってユーザー層も変わってくるので難しいところでしょう。

基本は普段使いで、長距離の自転車通学や、もしかしたらサイクリングにも使用するかもしれないという方におすすめです。

 

3位:cannondale QUICK DISC 5

クロスバイクといえばアルミフレーム。アルミフレームといえばキャノンデールです。

正直ロードバイクにおいてはそこまでのコスパを感じないキャノンデールですが、クロスバイクはコスパが良好で、とくに際立つのがQUICK DISC5です。

価格は54,000円とESCAPE R3とCROSTARのちょうど中間です。

それでいてディスクブレーキ装備という時点でもうコスパに関しては語るまでもありませんね。

乗り心地はESCAPE R3に酷似していると言えますが、ややもっさり感が否めないのは重さのせいでしょう。

キャノンデールはQUICKの重量を公表していませんが、実測重量によれば12kgとESCAPE R3よりも重いですね。

低価格のディスクブレーキ採用クロスバイクを探しているならぜひ検討してほしいモデルです。

 

2位:MERIDA CROSSWAY 200-R

低価格帯クロスバイクでとくに美しいのがMERIDAのCROSSWAY 200-Rです。

メリダのアルミフレーム造型技術は本当に凄いですね。

美しい曲線を描くフレームは6061アルミ合金を使用し、見た目はもちろん性能的にも優れています。

この価格帯ではもっともガッチリした乗り心地で、スポーツ走行を想定している方も納得でしょう。

塗装の美しさを含めて考えても、61,900円とは思えません。

あえていうデメリットを挙げるならカラーリングのセンスです。

個人的には派手すぎのような気がするんですがどうでしょう。

あとはフレームサイズが小さくなるにつれてトップチューブが下がり、マウンテンバイクのようなフレームになってしまうのも好きじゃないです。

身長的に50サイズしか乗っていないんですが、おそらくここまであからさまに形が変わると乗り心地も変わってくるのではと思います。

 

1位:FELT Verza Speed 40

FELT Verza Speed 40

出典:FELT公式

管理人が買うならこれ、といえるのがFELTのVerza Speed 40です。

もともとFELTが好きというのも大きな理由ですが、そうでない方も必見の理由が2つあります。

まず1つはディスクブレーキ標準装備ということ。

ディスクブレーキは速度調整能力はVブレーキよりも上で、かつ汚れに強いので雨の日や雨上がりでも安心というメリットがあります。

2つめはフレームの性能が非常に高いということです。

乗り心地はフラットバーロードに近く、速度域もやや高めです。

スピードを出しやすい設計ながら、適度に硬さを抜いたフレームで疲れにくいメリットもあります。

ディスクブレーキなのでその走行性能も安心して発揮できますね。

デメリットといえばフォークがアルミ製だということぐらいですが、個人的にはこのスペックで59,800円という価格を実現するためなら最小限の犠牲だといえるでしょう。

これはユーザーによって変わりますが、筆者はサドルも座りやすくてお気に入りです。

 

 

性能重視のクロスバイクトップ5

クロスバイクを購入する方には、ロードバイクと悩んだ結果クロスバイクにしたという方も多いでしょう。

ロードバイクとクロスバイクは別物ですが、もしロードバイクもほしいなと思っている方におすすめなのが、フラットバーロードなど、走行性能を重視して設計されたモデルです。

やや価格は上がりますがその分長く付き合えますし、普段使いにおいてもその快適性は生きてきます。

管理人がこだわっているジャンルのクロスバイクなので、より厳しく厳選してご紹介します。

 

5位:GIOS AMPIO

いきなり変化球で申し訳ないですが、これはぜひ紹介したい隠れたおすすめクロスバイクです。

まずはジオメトリーが非常に攻撃的で、スピードを出してくださいといわんばかりです。

クロスバイクデビューにはややおすすめしにくいですが、ロードバイクよりは乗りやすいので、ロードバイクと迷ってクロスバイクにした方には通過儀礼でしょう。

もうひとつのポイントが、フレームがクロモリ製ということです。

クロモリは鉄を主体にした合金で、アルミよりもやわらかく、断然寿命が長いのが特徴です。

クロスバイクは、今後ロードバイクを買ったとき普段使い用のサブに回ることになるので、耐久性が高いのはメリットになります。

クロモリは重いのがデメリットですが、細いデザインのおかげか9.7kgとかなり軽量です。

価格も79,800円とそこまで高くないのもうれしいですね。

難点といえばコンポがSHIMANOのClarisということぐらいですが、Clarisならロードバイク化する際にも流用できますし、大きなデメリットとまではいえないでしょう。

クロモリという特異性と、やや乗りにくさがあることから5位にしましたが、むしろその独自性は高く評価できるので5位にしました。

 

4位:TREK FX Sport6

出典:TREK BIKES

性能重視のクロスバイクを紹介するなら、最上位モデルともいえるこれを紹介しないわけには行かないでしょう。

フルカーボンフレーム、チューブレスレディホイール、105コンポーネント採用とここだけ聞くともうミドルグレードロードバイクのような構成です。

乗り心地はもちろん最上位。他にはないほど快適で、スピードも出しやすいです。

ではなぜ4位なのかというと、簡単に言えばやりすぎ感が理由です。

ここまでやられた上に255,000円だと、ちょっと気軽に乗れるというクロスバイクのメリットが薄まってしまっていますし、予算的にはロードバイクを視野に入れるか、もう少しお手ごろモデルをカスタマイズしたほうがいいシチュエーションもあります。

しかし間違いなくクロスバイク史上最強ともいえるほどの乗り心地と走行性能なので、予算に見合うなら買って後悔はないでしょう。

 

3位:GIANT FORMA

最近登場した注目のクロスバイクがGIANTのFORMAです。

フラットバーロードに分類できる一台ですが、特殊なのがそのフレームで、なんとエアロ形状を採用しています。

クロスバイクの速度域なので、効果のほどは正直よくわからなかったんですが、スポーティーな見た目は目を引きますし、趣味において見た目は重要なのは言うまでもありません。

エアロ形状の恩恵かかなり硬めでスポーティーな乗り心地で、少し距離を伸ばしたサイクリングにもおすすめです。

参考重量10.0kgも優秀です。

アルミフォーク、ドライブトレインなど少し気になる点はありますが、74,000円という価格なら文句はありません。

走行性能を求める方にもぜひおすすめしたいですし、まだ発売して日が浅く、まだ街中で見かけないモデルなので、独自性を求めるあなたにぜひ。

 

2位:MERIDA GRAN SPEED 100-D

クロスバイクのメリットと、性能を両立させているのがMERIDAのGRAN SPEEDです。

クロスバイクらしい気軽に乗れるというポイントは生かしながら、走行性能を上げるための油圧式ディスクブレーキ、カーボンフォークをコンポジットしたモデル。

それでいながら85,900円と極限まで抑えたコストパフォーマンスも評価できます。

乗り心地もなんのストレスもなく加速するスピード感と、振動を吸収するカーボンフォークが生きていて至極快適です。

残念なのがカラーリングですね。なにか意味のあるカラーなのかもしれませんが、この色だけで展開するのは少し挑戦的にも見えます。

とはいえクロスバイクとしての出来自体はかなり高く、1位をどちらにしようか迷ったほどなので、ぜひ一度お試しいただきたいおすすめモデルです。

 

1位:アンカー RL3 FLAT

地味なモデルですが、かなり優秀な名クロスバイクです。

フラットバーロードとはもともとロードバイクのフレームをフラットハンドルで仕上げたモデルのことですが、最近はロードバイクに近いクロスバイクのことを幅広くそう呼んでいます。

本来のフラットバーロードは絶滅危惧種ですが、その貴重な一台がこちらのRL3 FLATです。

その名のとおりRL3というロードバイクをフラットバーで仕上げた一台です。

フラットバーロードが数を減らした原因に、ロードフレームとフラットバーの相性の悪さがありますが、RL3がもともと乗りやすいジオメトリーだったこともあって、RL3 FLATは乗りやすさをより伸ばし、走行性能も生きているバランス型の一台に仕上がっています。

バランスがいいだけにデメリットらしいデメリットもなく、デザインがシンプルすぎるといったぐらいでしょうか。

76,000円と価格もそこまで高くなく、簡単にロードバイクに変更できるということを加味すると幅広いユーザーに適したクロスバイクなのではないかなと思います。

 

 

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まとめ

今回は完全に独断と偏見で選びましたが、どれも粒ぞろいのおすすめモデルです。

クロスバイクは他のスポーツ自転車と違い、あくまで趣味や実用のために使う自転車です。

このため選び方も多岐にわたり、どうしても迷ってしまうでしょう。

今回は実用使いを前提にしたコスパと、サイクリングにも使いたい方のための走行性能に分けて紹介しましたが、もちろんデザインで選んでもいいでしょうし、価格だけで選んでもいいでしょう。

今回紹介した中からお気に入りのモデルが見つかれば幸いですが、現存するだけでもかなりな種類があるクロスバイクですから、がんがん試乗をお願いしてお気に入りの1台を選びましょう!