クロスバイクは、どうしてもロードバイクの下位互換にみられがちです。
しかしクロスバイクはロードバイクを凌駕するメリットがある自転車でもあり、選び方を間違わなければロードバイクより満足度が高いのも事実です。
ではどういった選び方をすれば満足のいくクロスバイクに出会えるのでしょうか。
筆者の考えるクロスバイクの絶対に失敗しない選び方を大公開します。
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目次
そもそもクロスバイクとはどんなものか理解しておこう!
スポーツ自転車はどんな形であっても、それぞれ必ずメリットがあります。
まずはそこをしっかりと理解しなければ、選び方の第一歩は踏み出せません。
まずは簡単にクロスバイクがどんな自転車なのか解説しますので、しっかり覚えてこれから紹介する選び方に照らし合わせましょう。
マウンテンバイクから生まれ、ロードバイクに育てられた自転車
クロスバイクはロードバイクの下位互換だと思われがちですが、じつはもともとはマウンテンバイクでした。
山道を走るマウンテンバイクを、待ち乗りにも適した形に進化させたのがクロスバイクのはじまりです。
その後しばらくは、サスペンションを装備したマウンテンバイク寄りのクロスバイクが主流でしたが、ロードバイクが一般的になるにつれて、どんどんロードバイクに近いクロスバイクが増え、今日本で流通しているクロスバイクはほとんどがロードバイク寄りになっています。
パーツもロードバイクから流用したものが増えていますが、ベースはあくまでマウンテンバイクです。
どちらのDNAが濃いかはそのモデルによってまちまちなので、選び方のポイントのひとつにもなります。
ではここからは、クロスバイク選びのポイントを解説していきます。
これは管理人が反面教師になっている部分もあるので、私の屍を超えて皆さんは最高のクロスバイクに出会えるよう恥を忍んでご紹介します。
クロスバイク、何に使うの?
まずなにより重要なのが、クロスバイクを何に使いたいかということです。
「移動に使うよ」っていうのはわかりきっているので、もっと深く考えてみましょう。
私はここをしっかり考えなかったばかりに失敗しました。
通勤通学に
健康志向で通勤通学に自転車を用いる方がかなり増えていますが、クロスバイクは通勤通学にぴったりです。
過酷な山道を越えをしたり、ダートコースや砂利道を走るのでなければ、クロスバイクは待ち乗りにも最適化されていて、比較的トラブルも起こりにくいのでバッチリです。
変に特殊なものを選ばなければ、だいたいはどんなクロスバイクでも満足できるでしょう。
通勤通学用におすすめなのが、GIANT不動の人気クロスバイクのESCAPE R3です。
私が自転車を始めた当初からのロングセラーモデルで、私も1台持っていました。
税別52,000円と安価で、細身ながらしっかりしたフレームで乗り心地もよく、カスタマイズの幅も広いです。
通勤通学用に購入して、その後サイクリングに使うような用途にもベストでしょう。
サイクリングに
サイクリングに使用することを前提に考えると、ロードバイクと迷った方もいるでしょう。
同じ舗装路を走るための自転車ですが、簡単に言えばロードバイクは高速走行向きで低速だと扱いにくく、クロスバイクは低速走行に向きで高速走行に向かない自転車です。
サイクリング用として考えると、この高速走行に向かないデメリットがやや重くのしかかります。
高速走行を前提としていないのでブレーキは速度調整に向かないモデルがあり、ホイールも重く、ポジションがスピードを出すのに向いていません。
カスタマイズで対応することもできますが、最近ではロードバイク寄りのモデル、というかもはやロードバイクをクロスバイクのパーツを乗せたようなモデルもあるので、サイクリング重視ならそういったモデルがおすすめです。
サイクリング用にクロスバイクを検討しているなら、ぜひおすすめしたいのがMERIDAのGRAN SPEEDシリーズです。
フレームのジオメトリーがかなりロードバイク寄り、つまり高速走行も前提にしている「フラットバーロード」と呼ばれるジャンルの自転車で、ドロップハンドルを装備すればほぼロードバイクといっても過言ではないでしょう。
制動力が高く、停車だけでなく減速にも向いているディスクブレーキ標準装備なのもポイントが高いです。
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ママチャリのほうがいいんじゃない?
他の自転車を比べて考えてみましょう。
これまでママチャリやシティサイクルに乗っていて、漠然とクロスバイクにしようかなという場合、はたしてクロスバイクは適しているのでしょうか。
走行性能で言えば、間違いなくクロスバイクが上です。
ママチャリよりもやや前傾姿勢になるのでペダルにパワーが伝えやすく、パーツも軽量化されているので走り心地は雲泥の差です。
一方でデメリットもあります。
まず、スポーツ自転車はママチャリのように野ざらしで保管される前提で作られていないので、野ざらしにするとすぐに各部が劣化してしまうので収納の手間がかかります。(ママチャリももちろん屋内保管推奨です。)
また、基本的にカゴが付いていないので荷物の積載量はママチャリに劣ります。(改造してつけることは可能)
また、フレームの位置が高いので、跨るときに足を高く上げなければいけないので、女性の場合スカートで乗るのはおすすめしません。
あくまで管理人の考えとしては、ママチャリと迷ってクロスバイクを買って後悔はしないと思いますが、女性はスカートで乗れないデメリットはどうしても付きまとうので、制服がスカートの場合は要注意です。
荷物の積載量はカスタマイズで対応できるので、ハンドルからぶら下げられるカゴと、リアキャリアを取り付けるといいでしょう。
ママチャリから乗り換えることを前提にするとなるべく乗りやすいモデルがおすすめで、上で紹介したESCAPE R3もかなり乗りやすいモデルですが、せっかくなので別なモデルも紹介してみます。
管理人が知る中で、ESCAPEよりも乗りやすさを感じたのがGIOSのMISTRALです。
かなり上体が起きた状態で乗れるので視界も広く、ママチャリから乗り換えてもそこまでの違和感なく乗りこなせるでしょう。
MISTRALはGRAVELとCHROMOLYがあり、GRAVELにはサスペンションが装備されていますが、必要なければ鉄製の頑丈で柔軟なフレームが採用されているCHROMOLYがおすすめです。
ロードバイクのほうがいいんじゃない?
よく聞くのが、クロスバイクとロードバイクどっちがいいのか?という疑問です。
先日もスポーツ自転車デビューしようとしている方が、どちらがいいのか相談しに来ました。
すでに説明したとおり、この2つは想定しているスピードが違います。
ロードバイクはより軽量化し前傾姿勢で、スピードは平地で30km以上簡単に出せるほど高性能な反面、低速になった途端バランスが取りにくくなるので、ストップアンドゴーや交差点の多い街乗りにはやや不向きです。
クロスバイクはその逆で、乗りやすさを重視し低速でもバランスが取りやすいので、街乗りに最適です。
ママチャリに比べればスピードも出やすいのでサイクリングには向いていますが、ロードバイクほどのスピードを出すと操作が難しいです。
より長距離を走ることを考えれば、スピードが遅いことで時間がかかり、ロードバイクに比べれば行動範囲は狭まるでしょう。
逆に、スピードを重視せずサイクリングを楽しむいわゆる「ポタリング」のような楽しみ方であれば、クロスバイクにメリットがあります。
ロードとクロスを迷っている方には、MERIDAのGRAN SPEEDもおすすめですが、もう一機種おすすめのクロスバイクがあります。
それがCannondaleのCAAD OPTIMO FLAT BAR 1です。
ロードバイクのフレームをそのままにクロスバイクにした純然たるフラットバーロードで、もしクロスバイクでは物足りなくなっても、カスタマイズで完全にロードバイクにできるモデルです。
CAADはロードバイクでも人気のシリーズで、OPTIMOはそのスペックを継承した廉価版。
税別95,000円とややお高めですが、ロードバイクを買いなおすよりはかるかにお安くあがるので、クロスとロードを迷っている方にはもってこいのおすすめモデルです。
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マウンテンバイクのほうがいいんじゃない?
マウンテンバイクとクロスバイクを迷う方は少ないですが、場合によってはマウンテンバイクのほうが快適な場合もあります。
具体的にはオフロード走行をする可能性がある場合で、オフロードは現代のクロスバイクの弱点のひとつです。
オフロード走行の比重が高い場合、クロスバイクをオフロード仕様にするよりも、マウンテンバイクをオンロード仕様にカスタマイズするほうが効果的で安価に済みます。
オフロードといっても山道のような本格オフロードではなく、砂利道や未舗装路など比較的整地されたオフロードであれば、そういったシチュエーションに強いクロスバイクもあります。
オフロードを走るかもしれないけど、マウンテンバイクまでは必要ないという方におすすめなのが、GIANTのGRAVIER DISCです。
簡単に言えば、これはサスペンションのないマウンテンバイクです。
太い27.5インチタイヤにディスクブレーキ装備で、サスペンションさえあれば疑いようのないマウンテンバイクです。
しかしそのサスペンションの有無が大違いで、サスペンションは必要なければ重く、加速性も悪くなるので足かせにしかなりません。
太いタイヤのサスペンション効果である程度のオフロードは走れますし、舗装路もすいすい行けてしまうマルチなおすすめモデルです。
実際買うときの選び方
ほしいモデルが決まって、お店で実際に購入する場合。
ここれも、スポーツ自転車はすこし違う選び方が必要になります。
フレームのサイズを股下に合わせよう
通常、ママチャリなんかはタイヤのサイズで乗る人間の股下に合わせて選んだかと思います。
が、クロスバイクはせいぜい700cと27.5インチしか選択肢がありません。
ではどうするかというと、フレームのサイズを人に合わせます。
同じ700cでもフレームのサイズがさまざまあり、それにあわせて選びます。
ある程度フレームサイズに対応する身長の指標がありますが、手が長い、足が長いなどしたら合わないので、必ず試乗してから選ぶようにしましょう。
通販は注意
いまやなんでもネット通販で購入できる時代になりましたが、自転車では避けたほうが無難です。
というのも、通販は自転車が完成した状態で届くことは少なく、ある程度自分で組み立てる必要があるからです。
お店に持ち込んで組み立ててもらおうにも、スポーツ自転車の扱いに慣れている専門店は持込を嫌う場合があるので、届いたときの組み立てはもちろん、その後の修理先に困ることになりかねません。
またフレームサイズの問題もあるので、不要なカスタマイズポイントを生まないためにも現物を見て選ぶことをおすすめします。
あとはルック車が多いという問題もあります。
ルック車は見た目だけ取り繕った自転車で性能が伴っていないため、せっかくスポーツ自転車で軽快にサイクリングしたいなら用途に見合わないからです。
今回紹介したような信頼できるメーカー品の自転車は基本的に専門店でしか購入できないので、通販は避けたほうが無難です。
ライト・ペダル・空気入れの予算も考えよう
クロスバイクにはライトが基本的に付いていません。
ショップのサービスで付いてくる場合もありますが、スピードが出やすい自転車ですし、なるべく強力で広角照らせるライトを用意するようにしましょう。
クロスバイクをはじめとしたスポーツ自転車には、ペダルが付属していない場合があります。
これはビンディング(ペダルとシューズを固定できるもの)を使用する場合、その組み合わせがさまざまだからです。
空気入れも、ママチャリ用からは基本的に流用できません。
ママチャリのバルブは英式、クロスバイクのバルブは仏式が主流だからです。
また、仏式の場合空気圧が高いので自然に空気が抜けていくので、頻繁に空気入れする必要があり、仏式対応の空気入れをもっていない場合は必ず購入しましょう。
空気が十分でない状態で乗っていると、簡単にパンクします。
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さいごに
予想外に長くなりましたが、すべて無駄な情報ではなく、クロスバイクを買うときに失敗しないために必要な情報だと信じてがんばって書きました。
もしかしたら不足している情報がないかと心配ですが、基本は十分お伝えできたのできっと大丈夫です。
クロスバイクも多様化し、ただいい悪いだけでなく、その特性も抑えて選ぶ必要があります。
今回覚えた基礎知識を元に、ぜひ専門店に足を運んで、よく吟味して最高の相棒を選びましょう!