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意外と奥深いママチャリの世界

夏場であれば必ず見かけるママチャリ。通勤通学からちょっとした買い物まで幅広く使われていますよね。
スポーツ自転車が欲しいと思う方の多くが「ママチャリは遅い」「ダサい」と下に見ていますが、本当にそうでしょうか。
自転車はそれぞれ進化して現在の形になっているので、ママチャリにはママチャリのメリットがあります。
今回はスポーツ自転車全盛期だからこそ再確認したいママチャリの魅力をご紹介します。

ママチャリとは

ママチャリはシティサイクルの総称で、「軽快車」「シティ車」が正式な名前です。
元々「婦人車」と呼ばれるジャンルの自転車を指していましたが、現在は幅広く使用されています。
これといった規格はありませんが、トップチューブが極端に低い「ステップスルーフレーム」に金属製の泥除け、前かごが標準装備されているのが一般的です。

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ママチャリのメリット

乗りやすさ

ロードバイクやクロスバイクなどスポーツ車は足を大きく後ろに上げて乗る必要がありますが、ママチャリのステップスルーフレームはひざを曲げる程度でまたげるので、スカートでも乗りやすくなっています。
スポーツ自転車の場合はスピードを重視した上での乗りやすさを追求しますが、ママチャリは乗りやすさだけに集中して設計されています。

荷物の積載

前かごは荷物を運ぶ場合にメリットがあり、ロードバイクには基本的に取り付けられません。
特にこれは他の自転車にはない特徴で、スポーツ車に荷物を多く載せようとすると改造が必須で、強度的な面から積載可能重量もママチャリに劣ります。
荷物の項目で紹介してしまうとなんですが、子供を乗せて走れるのもママチャリのメリットですね。
スポーツ自転車でも通常80kg~120kgの対加重があるので可能ではありますが、安定性や視界の確保、スピード対比での安定性はママチャリが勝っています。

頑丈さ

もうひとつ忘れてはいけないメリットが「超頑丈」という点です。
鉄、もしくはアルミが主流ですが、鉄は言わずもがな頑上で、アルミにおいてもロードバイクのように軽量化を中心に考えていないので頑丈です。
ロードバイクに乗り換えたとき、ママチャリのイメージで段差をガンガン降りたりすると故障の原因になるので注意しましょう。
よくすぐダメになるという話も聞きますが、それはおそらく雨ざらしにしているなど保管状況に問題があるからで、定期的に簡単なメンテナンスをして屋内に保管していれば、パンクなどを除けば通常は毎日乗っても3年は問題なく乗れるよう設計されています。

ママチャリのデメリットは?

ママチャリは生活に密着した自転車なので、性能よりも「安さ」が優先されます。
その結果生まれたデメリットも多いので、メリットよりデメリットが気になる方はスパッとスポーツ自転車に乗り換えたほうが良いでしょう。

スピードが出ない

乗りやすさを重視すると、どうしても背中の立った姿勢になるので使える筋肉が限られてきます。
このためスピードが出しにくく、構成パーツ的にもスピードは出しにくいです。
平均巡航スピードで言えば、時速15~20kmが無理のない速度でしょう。
ロードバイクで言えば30km程度なので、一時間走ると10km程度の差が出ることになります。

長距離に向かない

スピードが出ないこと、筋力が足に集中することから長距離の走行は難しいです。
また坂道が苦手なので、起伏のあるルートとなるとよりつらくなります。
ロードバイクで100km平気で走る人でも、30km程度が限界ではないでしょうか。

重たい

ママチャリは基本的に全て重たいです。
フレームの材質によって大きく違いますが、軽量なモデルでも15kg程度です。
かごや泥除けをなくした12、3kgのママチャリもありますが、そうなるとママチャリのメリットがなくなっていくのであまり実用的とはいえず、それならクロスバイクにメリットが出てきます。
ショップではママチャリが売れ始める2月、3月ごろには入荷した自転車の荷降ろしなどの処理があるので、店員の腕がかなり太くなるほどです。

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ママチャリの選び方

1.予算と相談

ママチャリは価格差がそこまで大きくないですし、安いのでそこまで悩むことはありませんが、価格が高い方が品質が上がるのも事実です。
電動を除けば10,000~40,000円で、国産メーカーは高くなる傾向があります。
高い自転車の主なメリットは軽さで、鉄よりもアルミの方が軽く、その分値段が高くなります。

変速機の有無

一昔前はママチャリといえばシングルギアでしたが、今は多くのモデルで切り替えが付いています。
もちろんその分値段も高くなりますが、スピードに合わせたギア比が決められるので乗り心地も上がります。
細かく言えば「内装式」と「外装式」があり、内装式は見た目がすっきりしますがトラブルが起こったときに自分で対処できないので、可能であれば外装式がおすすめです。

タイヤの大きさ

ママチャリのタイヤは主に三種類で、「26インチ」「27インチ」「700c」があり、順に大きくなっていきます。
例外的に「20インチ」程度のタイヤが極端に小さいものもありますが、これは「ミニベロ」と言うジャンルになります。

最近流行りの小径車「ミニベロ」とは?性能からおすすめメーカーまで

タイヤが大きくなるとスピードが出やすく段差を乗り越えやすい反面、回すのにパワーが必要で取り回しも悪くなります。
変速機付きならあまり気になりませんが、ない場合は小さいほうが乗りやすくなります。
タイヤの大きさと身長を照らし合わせるショップも多いですが、実際には「ペダル(クランク)の長さ」「サドルの高さ」「ハンドルの高さ」が重要です。
ペダルの長さは調整できないので「サドルの高さ」「ハンドルの高さ」を体に合わせられればタイヤ径が多少大きくても小さくても問題ありません。

ママチャリのレースも全国で


引用元: 十勝スピードウェイ
ママチャリはレース目的に作られたものではないですが、そのナンセンスさを逆に楽しんでしまおうというレースが全国で行われています。
北海道で行われている「全日本ママチャリ耐久レース」は、なんとモータースポーツが行われている十勝スピードウェイを使用して行われる大規模レースで、無数のママチャリが走り出す様は圧巻です。
2018年の20回記念大会では100チームに迫る参加者が集まり大いに盛り上がりました。
いままで見学で楽しんでいましたが、いつか参加してレポートしたいですね。
→十勝スピードウェイ|ママチャリ耐久レース

ママチャリを使用したレースは全国で行われており、基本的にはママチャリは無改造で、ライダー交代制の耐久レース形式が多くなっています。
学生や友人同士でも参加しやすくなっているので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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まとめ:ママチャリはダサくない!

ママチャリはかっこ悪いからスポーツ自転車が良いと、特に思春期の男子は思うかもしれません。
たしかにスポーツ自転車はかっこいいですが、ママチャリもひとつの機能美を持ち合わせた実用的な自転車です。
自分の足として使うものなので、しっかり管理して適切な使い方をこころがけましょう。