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自転車の母?『ロードバイク』

ママチャリ、マウンテンバイク、クロスバイクなどなど、現在自転車にはさまざまな種類があるのはご存知ですよね。
中でも特殊な自転車として認識されているのはロードバイクではないでしょうか。

ぴったりしたウエアの独特なスタイルで、スポーティで洗練された自転車をビュンビュン乗り回す人を一度は見かけたことがあるでしょう。
日本ではあくまで趣味のひとつという認識かもしれませんが、実は世界的に見るともっと奥が深く、市場規模を見れば自転車の王様といっても過言ではありません。

しかも歴史を見れば、今ママチャリでも普通に採用されている部品の生みの親でもあるのがロードバイクということがわかります。
今回はそんなロードバイクのイロハをご紹介します!

 

そもそもロードバイクとは?

ロードバイクといえば、曲がりくねった独特なハンドル(ドロップハンドル)のついた細いタイヤの自転車をイメージしますよね。

実はドロップハンドルがついている自転車すべてがロードバイクというわけではなく、
『ロードレースの為に設計され進化を遂げた自転車』がロードバイクの定義です。
ロードレースとは、ツール・ド・フランスなど、公道を利用して長距離を自転車で走破するレースのことです。

なので、ドロップハンドルを装備している自転車を見て一般人が見て「どうみてもロードバイクだよね?」というものも、実はトライアスロン用バイクだったり、ピストバイクだったり、もしかするとドロップハンドルを付けたクロスバイクだったりします。

実際にはメーカーもここまで細かい区分はしておらず、トライアスロン用バイクを「ロードバイクのカテゴリーの中にあるもの」として考えている場合も多いので深く考えなくても大丈夫ですが、目的が変わると性能も変わるので注意しましょう。

 

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ロードバイクの歴史とは?

ロードバイクに限らず、自転車はすべて「何かを目的に洗練された形」で存在しています。
ママチャリにいたっても、見た目こそ洗練されていませんが実用性を高める為に洗練された設計で世に出されているのです。

ロードバイク、マウンテンバイクなどの競技用自転車においてはその競技に適した形を目指し、さらに言えばレース環境に応じてより細かな設計、乗り手にあわせた設計がされています。
ロードバイクの発祥も同じで、1900年ごろにロードレース用自転車として進化が始まりました。
当時は舗装路ではなく土の道を走るので、今でいう「シクロクロス」に似た環境でのレースでした。
その後、周回コースを走るトラックレースに対して、ロードレースではブレーキの着用が可能だったので、今でいう「コンポーネント(コンポ)」の開発もロードレースで活発化します。

いまでこそ当たり前ですが、ギアの切り替えが付いた自転車もロードレースに登場します。
しかし今のように手元で切り替えができたわけではなく、クランク(前のギア)と後輪の左右にギアが付いていて、切り替えたいときはいちいち降りて後輪やクランクをひっくり返してギアを変えていたそうです。大変ですね。

この大変さを補う為に、「クイックレリーズ」が開発されたといわれています。
タイムを競う競技ですから、それでもいかんということで「変速機」が生まれ、精度が向上したことでロードレースに採用されるようになります。
その先は素材や操作性を徐々に最適化し、現在の「ドロップハンドルにデュアルコントロールレバー」という組み合わせが一般化しています。

長くなってしまう上に情報源がソースによって変わるのでかなり省略しましたが、現在の自転車を構成するパーツがロードレースのために研究開発されました。
余談ですが、「空気入りタイヤ」や「ローラーブッシュドチェーン」は自転車が発祥で、ロードバイクが自転車の母なら自転車は産業の母ともいえるのかもしれませんね。

 

現在のロードバイクはどんな形?種類は?

現在でもロードバイクの進化はとどまるところを知りません。
毎年新しいモデルが発表され、フレームの素材や設計、ロードバイク用コンポーネントの刷新が続いています。
パーツ構成やギミック的な部分は確立されましたが、そこからさらに特徴的な性能を持つロードバイクが展開されています。

まずはロードバイクからさらに細かくカテゴライズされた種類の一部をおおまかにご紹介します。

オールラウンド(ノーマル)

引用元:2018 Giant Bicycle
レース志向のもっともベーシックな形で、かつ一般的な形のロードバイクを指します。
突出した性能こそないものの、のぼりでもくだりでも長距離でも高速走行でもバランスよく走れるよう設計されています。
ただし、エンデュランス、コンフォートと言った乗りやすさ重視のモデルが生まれたため、オールラウンド向けモデルにはスピードを重視した固めでクイックなコーナリングが出来るよう設計されているモデルが増えてきた印象を持ちます。
乗りやすさで言えばエンデュランス、コンフォート系モデルをおすすめしますが、純粋なロードバイクを体感したいのであれば初心者にもおすすめです。

ヒルクライム


引用元: 2018 Giant Bicycle
ヒルクライム用は登ることに重点を置いて設計されたロードバイクです。
自転車での登板においては重さの影響が大きいため、各部の軽量化を重視して設計されています。
またパワーロスを防ぐためにフレームを硬く設計し、漕いだ力を極力逃がさないこともポイントのひとつです。
このため衝撃吸収性が悪く、段差では衝撃を受けやすいので平地では無駄な疲労をためやすいといわれています。
完成車では前後のギアも軽めの設定になっているので、平地ではスピードを出しにくいデメリットもあります。

ロングライド(エンデューロ、エンデュランス)


引用元:2018 Giant Bicycle
ロングライド用はその名の通り、長距離走行に重点を置いて設計されたロードバイクです。
オールラウンドとの違いは、エンデューロは「耐久レース」を指すので、競技の特性上平地が多く、「連続した平地の長距離走行」を目的とされている点です。
このため搭乗者の体力を奪わない為に、衝撃吸収性などに重点を置いているモデルが中心です。
逆に坂上り下りするヒルクライムや、強い加速力を必要とするスプリントでは、衝撃吸収性によって漕ぐ力が分散してしまいスピードを出しにくく、安定性も下がってしまうため選ばれないジャンルの自転車です。
ただし乗りやすいというメリットはあるので、エンデューロレースを目指していない初心者にもおすすめできます。

エアロ


引用元:2018 Giant Bicycle
空力に重点を置いたロードバイクです。
フレームは空気抵抗を抑えるため平面的で、特に下りや平地での高速走行で性能を発揮します。
ホイールにも空力を重視したリムを採用されていることが多く、高価な上位グレードのモデルにはブレーキやステムなど構成パーツも空力を重視したものが採用されています。
かつてはその特性から重量が重くなり性能を生かせる場面が少ないといわれてきましたが、現在では軽量化が進み、重さが死活問題となるヒルクライムでもエアロロードを使用する参加者を見かけるようになりました。
ただし価格も高めで、横風に弱いなどクセもあるので初心者にはおすすめしません。

コンフォート


引用元: 2018 Giant Bicycle
コンフォートは乗りやすさを重視して設計されたロードバイクです。
基本的な構成はその他のロードバイクと同じですが、ロードバイクの特徴のひとつでもある前傾姿勢を少し弱めて、直進安定性を高めた設計になっています。
前傾姿勢は筋肉を使いやすくスピードを出しやすいためのもので、そのメリットを弱めているコンフォートモデルはレース向きではなく、主にタイムや距離など突き詰めない趣味乗りユーザー向けとなっています。
コンフォートモデルにも軽量化を意識したものもありますが、基本的には競技用よりも重く、スピードが出しにくいことも踏まえるとレースへの参加を目的としている場合には向きません。
価格も抑え目なモデルが多いので、フィットネスや通勤通学の足として使うことを前提としている方にもおすすめです。
一部、乗りやすさとともにスピードも求める「エンデューロ系ロードバイク」をコンフォートモデルと表記されている場合もあるので、初心者向けなのかレース向けなのかは価格帯で判断すると良いでしょう。

その他のロードバイク

ロードレース用じゃないからロードバイクではないという方もいますが、形が近いのでご紹介したいジャンルの自転車があります。
それがオフロード系のロードバイクです。
詳細は割愛しますが、昨今趣味乗りでも注目度が高いのでご紹介します。

シクロクロス

シクロクロスはレースの名前で、山あり谷あり水溜りあり段差ありのオフロード周回コースを走ることを目的としたレース用モデルです。

グラベルロード

グラベルロードは砂利道(グラベル)向けのロードバイクで、ロードバイクにマウンテンバイクのテイストを盛り込んだモデルを指します。
アドベンチャーロードとも呼ばれます。

 

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ロードバイクのフレーム素材とは?

ロードバイクの価格と性能を決める大きな要素として、フレームの素材が上げられます。
フレームの素材を把握しておけば、ロードバイクのおおよその性能や価値がわかるので、これから購入しようとしている方はある程度把握しておくようにしましょう。

カーボン

カーボンはフレームに限らずロードバイクの素材の中心として使われている素材です。
炭素繊維のシートを樹脂で固めたもので、軽さと強度を両立しています。
また素材の特性から柔軟性も出しやすいため、ロードバイクの素材としてはもってこいです。
ただし価格が高く、中級グレード(ミドルグレード)以上のフレームにしか採用されていません。
また衝突などの衝撃やキズに弱く、転んで地面にぶつけたりすると割れたり、こすってキズができると水を吸って強度を失うことがあります。
操作に不慣れな場合こういった事故の可能性が上がるので、初心者は注意が必要な素材です。

アルミ(アロイ)

アルミ(アルミ合金、アロイ)は、カーボンの台頭によって数を減らしていますが、まだまだ現役の素材です。
カーボンに比べると素材が安く加工が容易で、コストがかからないため安いのが最大のメリットです。
素材自体はカーボンよりも重いですが、素材選びや加工法によってカーボンに引けをとらない軽さを実現したモデルもあります。(cannondale CAADなど)
クロモリのようにサビる心配も無く、カーボンのように衝突やキズで破断するリスクも少ないので、アルミロードは初心者にもおすすめです。(注:まったく破断しないわけではない)

クロモリ

クロモリは鉄、クロム、モリブデンから作られる合金の通称で、古くから自転車に使われている素材です。
鉄を主体にしていることによる重さがデメリットとなり、現在は競技用ではほとんど使われていない素材ですが、柔軟性の有る独特な乗り心地と、他の素材に比べてクラシックなデザインが多いことからコアなファンも多いです。
クロモリのメリットはなんといっても耐久性で、「クロモリフレームは一生物」とも言われ、孫まで3世代にわたって引き継がれたクロモリロードも存在します。
また専門の工場に持ち込めば修理や再塗装も可能で、長く付き合える自転車を探している方におすすめです。
サビに弱いという特性はありますが、塗装に気をつければ重大な問題になる心配も少ないといえます。
価格はカーボンよりは安く、アルミよりは少し高いモデルが多くなっています。

 

ロードバイクの買い方は?安いものにはワケがある?

ママチャリはホームセンターや一部スーパーでも買えますが、ロードバイクはそうもいきません。
選び方もママチャリとは大きく変わってきます。
しかも格安で買おうとすると落とし穴があるので注意しましょう。

なるべく専門店で購入しよう!

ロードバイクは、ブランド力が性能に大きく影響します。
ツール・ド・フランスにも機材提供するようなトップブランドであれば性能は均衡していますが、それ以外のメーカーとなると「ルック車」と呼ばれるロードバイクと呼べない性能の自転車が存在するのも事実です。
これはかなり目が肥えた玄人でもシルエットだけで判断できないほど見た目では判断が難しいので、初心者にこそブランドにはこだわって欲しいところです。
そのトップブランドは通販を嫌い、専門店との契約で販売していることがほとんどです。
上記したように一口にロードバイクといってもさまざまなモデルがあるので、店員さんにある程度相談してから購入するようにしましょう。
トップブランドが通販で購入できても、専門店が提供している通販を除き、通販で自転車を購入すると組み立てを自分で行わなければならないので初心者にはおすすめしません。

購入は長く付き合いたいショップがおすすめ

専門店には少し閉鎖的な部分があって、他店で買った自転車を持ち込まれるのを嫌います。
これはトラブルが起こった場合に責任の所在がわからなくなるためで、他店購入品の持込は別料金を取られたり、そもそも拒否するショップもあります。
ロードバイクはメンテナンスや修理、カスタマイズでショップにお世話になることも多いので、この場合購入店に持ち込むことが多くなります。
なので、安いからといって持ち込めない通販を選んだり、技術に不安があったり対応の悪いショップを選ぶと長く後悔することになります。

フレームサイズをチェックしよう

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引用元: 2018 Giant Bicycle
ママチャリではタイヤのサイズが体に合った自転車を選ぶポイントですが、ロードバイクは基本的に共通して「700c」というタイヤサイズが採用されています。
このため、ロードバイクでは「フレームサイズ」で搭乗者と自転車のサイズを合わせます。
フレームサイズはSMLで表記や、mm単位で表記されているので、フレームサイズに適合した身長を調べて購入しましょう。
厳密には足の長さや腕の長さなどでも変わってくるので、フィッティングの面でも専門店での購入をおすすめします。

それ本当に完成車?フレームセットとは?

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引用元: 2018 Giant Bicycle
ロードバイクは、フレーム以外は基本的にすべて交換することができます。
このため最初からフレーム以外なにもついていない、フレームセットという販売方法も一般的です。
ショップで購入するという場合は心配ありませんが、ネットの場合、完成した自転車(完成車)の写真を貼っておきながら実際にはフレームセットのみの販売という場合もあります。
特にオークションや中古品での購入でこのトラブルが多いようなので注意が必要です。
逆に言えば、こだわりたい方はフレームを購入して好みのパーツで自分にぴったりの愛車を組み立てることも可能です。

コンポーネント(コンポ)にも注意しよう

コンポーネント(コンポ)とは、自転車が走る為に必要なパーツ群のことを言います。
具体的なものを言えば、「STI(デュアルコントロールレバー)」、「クランク」、「ブレーキ」、「ディレイラー」などです。
実はロードバイクの場合、フレームのみをメーカーが作って、コンポーネントはコンポーネントのメーカーから買って取り付けている場合がほとんどです。
しかしこのコンポーネントのグレードが性能と価格に影響するので重要なポイントです。
同じフレームでもコンポーネントのグレードを落とせば安く買える場合もあるので、ロードバイクを購入する場合はコンポーネントのグレードも要チェックです。

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ロードバイクを格安で手に入れる方法

ロードバイクが高いのは事実で、値段で足踏みをしてしまう方も多いでしょう。
安く購入する方法もないわけではありませんが、それなりのリスクやデメリットは存在します。
それぞれの落とし穴を理解したうえで購入しましょう。

型落ちセール品を狙う←おすすめ!

ロードバイクは基本的に毎年ニューモデルが登場します。
基本的にショップでは予約販売になりますが、各メーカーのメインのモデルは入荷します。
万が一売れ残ってしまった場合、これが型落ちでニューモデル発売時期の夏~秋ごろに処分価格になっていることがあります。
これがロードバイクを安く買う最大の狙い目で、これといった大きなデメリットもありません。
しいて言えば欲しいモデル、欲しいサイズが選べないというぐらいで、品質はもちろんショップのサポートにも変わりありません。
玄人は新製品を狙って夏ごろに活発化しますが、安く買いたい方も夏ごろを目処にショップをめぐってみましょう。

型落ちセール品のメリット

・新品が安く購入できる
・専門店で購入できる
・その後のサポートも受けられる

型落ちセール品のデメリット

・欲しいモデルがあるとは限らない
・どのショップでもやっているとは限らない

通販を使用する

基本的にトップメーカーは通販を嫌いますが、一部通販可能なメーカーがあります。
通販は実店舗と違い、スペースや人件費の面から安く上がる場合も多いですが、それなりのリスクがあります。
まず、ルック車が多いこと。ルック車とは性能が伴わない見た目だけのロードバイクのことです。通販にあるロードバイクのほとんどがルック車と考えてよいでしょう。
次に組み立てを受取人がしなければならないこと。ある程度覚えがあれば難しい作業ではありませんが、まったくの初心者であれば安全性の面からおすすめしません。
また専門店は他店購入品、とくに通販で購入したものを嫌うので、修理したい場合やプロの手を借りたい場合にスムーズにことが進まないこともあります。
つまり初心者の場合、通販利用はリスクとデメリットが大きいのでおすすめできません。
※一部専門店が提供する通販の場合はこれに限りません。

通販で購入するメリット

・新品が安く購入できる
・取りに行く必要が無い

通販で購入するデメリット

・ルック車が多い
・組み立てを自分で行う手間
・修理が受けられない場合がある

中古品を購入する

ロードバイクは、探せばよく中古品が出回っていて、スポーツ自転車専用のリサイクルショップがあるほどです。
中古の場合は専門店でなくてもトップメーカーのものを手に入れることができます。
ただし、中古の場合は予想外のリスクがあります。
まず、コンポーネントの互換性が心配です。コンポーネントはバージョンアップしたとき、同じグレードでも互換性がなくなる場合があります。
次に防犯登録ができない場合があります。売るときに前のオーナーが防犯登録を外していない場合、新たに防犯登録をすることができず、これはショップにも判断できません。最悪警察から窃盗の疑いを掛けられてしまう場合もあるので注意が必要です。
最後にパーツの消耗度合いがわからない点です。見た目にはきれいでも、実はブレーキが磨り減っていたり、フレームが消耗して限界を迎えている場合もあります。
これらのデメリットも、なるべく専門店が提供している中古品を買うことで有る程度リスクを減らすことができます。

中古品のメリット

・かなり安く購入することができる
・通販でもトップメーカーを購入することができる

中古品のデメリット

・パーツが現行品と互換性が無い場合がある(修理時に費用がかさむ可能性がある)
・防犯登録できない場合がある
・目に見えないダメージが潜んでいる場合がある

まとめ

ロードバイクはこのように、一般的な自転車とは一線を画す専門性の高い競技用自転車です。
しかし低価格化も進み、日本でも趣味のひとつとしても確立され、競技の枠を超えてポピュラーな乗り物として認識されてきました。
移動の足としても広まってきて、それが社会問題にもなりつつあります。
ロードバイクデビューを考えている方は、ロードバイクの本質を踏まえつつ、交通ルールなどもしっかり覚えてデビューしていただけると嬉しいです。