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目次
ロードバイクのフレーム素材で変わるのは耐久性だけじゃない
ロードバイク選びの基本として、フレームにどんな素材を使用しているかを把握する必要があります。
これは単純な耐久性だけの話でなく、すべてはここで決まるといっても過言ではないほど重要なポイントです。
とは言え、ある程度乗ってみるだけでなく、それぞれの素材で乗り比べなければそれぞれの特徴は把握し切れません。
購入前にある程度めどを立てるために、今回はロードバイクのフレームの素材がどのように影響するのか、どういった違いがあるのかをそれぞれ解説して行きます。
現在の主流は3種類
自転車のフレームに使用される素材は実は様々あります。
しかしロードバイクの素材として使われるものとなると限定的で、現在主流のものは以下の3種類です。
- アルミ
- カーボン
- クロモリ
実際にはもう少し種類がありますが、現在流通するロードバイクのフレームはこの3種類以外を選ぶほうが難しくなるでしょう。
すべて成績を競う目的で開発されているロードバイクに使用されている素材ですが、その特性は相反しています。
ではそれぞれの特性を比較してみましょう。
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ロードバイクフレームとしての『カーボン』
カーボンは単純に訳せば「炭素」ですが、実際には炭素だけでできているわけではありません。
通常ロードバイク関連でカーボンといえば、「炭素繊維強化プラスチック」が使用されます。
主に炭素繊維を織り込んでシート状に成型されたカーボンシートを、サイジング処理して使用します。
サイジング処理とは、布状であるカーボンシートをエポキシなど樹脂のサイジング剤で固める加工のことです。
つまり、カーボンは炭素繊維と樹脂を合わせた素材ということになります。
カーボンフレームは軽さと柔軟性が最大のメリット
カーボンはフレームのみならず、ホイール、ステム、ハンドル、サドルなど様々なパーツに使用される素材です。
これはロードバイクの性能アップの第一目標が「軽量化」で、金属でないカーボンは軽量なので様々なパーツの素材として有効だからです。
また柔軟性にも優れており、単純に柔軟なだけでなくシートをエポキシで固めるという製造工程から、設計や意図に合わせた補強や柔軟性が自由であることもメリットです。
柔軟性は乗り心地に直結するので、カーボンフレームの登場によって搭乗者の求める性能をいかんなく発揮できるフレーム設計が可能となりました。
カーボンフレームの耐久性は高くもあり低くもある
カーボンフレームの耐久性は、2つに分けられます。
カーボンは同じ重量の鋼鉄に匹敵する強度があるといわれています。
ただし、表面が樹脂(主にエポキシ)で覆われているために、スレ傷や樹脂をえぐるような衝撃には非常に弱いという側面があります。
つまりフレームとしては軽く柔軟で高強度というメリットがありながら、落車したときや倒してしまったときには傷がつきやすいというデメリットもあります。
表面の傷が深い場合、水が入り込んだり樹脂と炭素繊維の剥離が起こるのであっけなく破断してしまうという弱点もあります。
このため、カーボンフレームは傷が付いてしまった場合は再塗装や補修が必要になりますが、金属と違いダメージを確認しにくいので専門業者に依頼するのがベターです。
カーボンフレームの寿命は5~10年?
自転車のフレームにはいずれ寿命が来ます。
走行距離や道路状況、保管状況、搭乗者の体重などにも左右されますが、カーボンフレームの寿命はおおよそ5~10年と言われています。
カーボンは上記したとおり樹脂で固められているため、この樹脂の耐久性からみた劣化と、使用における避けられない傷から加味した年数です。
落車や接触事故など不慮の傷や負担がかかればこれに限らないので、日々の手入れと安全点検は抜かりないよう意識しましょう。
カーボンフレームの低価格化も進む
元々カーボンフレームのロードバイクが登場したときは、高価でなかなか手を出せるものではありませんでした。
しかし昨今の加工技術の発展や、カーボンそのものが幅広く利用されるようになったことからも低価格化が進み、比例するように安いカーボンフレームも登場しました。
2018年現在では、おおよそ20万円の予算があればある程度の選択肢があるでしょう。
無論安いカーボンフレームと高いカーボンフレームには設計から使用している炭素繊維の種類まで違いがありますが、乗り心地という観点からいえば安いカーボンロードにもメリットがあります。
ロードバイクフレームとしての『アルミ』
アルミは調理用アルミホイルに代表されるように、古くから日常的に目にする素材です。
ロードバイクのフレームとしては比較的新しく、アメリカのcannondaleが世界で始めて市販用自転車のフレームにアルミを採用したといわれています。
ロードバイクの素材としては実際にアルミニウム(AL)でなく、アルミをベースに他の素材と合わせた合金です。
一部メーカーが使用している「アロイ」という表記は主にアルミ合金のことを指していて、表現としてはこちらのほうが正しいでしょう。
アルミフレームは安価で軽さと強度のバランスが売り
現在のロードバイク業界はカーボン優位になりつつありますが、アルミにも大きなメリットがあります。
まずは軽量であること。
いまだアルミフレームに注力しているcannondaleによって、カーボンに匹敵する軽さのアルミフレームも登場しています。
また強度も高く、カーボンのようにスレ傷などによるダメージの影響も少ないと言えます。
軽さや柔軟性ではカーボンに劣りますが、ある程度軽い上に強度にも不安がない素材として現在でもアルミフレームのロードバイクは毎年多数ラインナップされています。
またカーボンと比較すると製造コストが安いことから、エントリー~ミドルグレードの安価なロードバイクにもよく使用される素材です。
アルミフレームの耐久性は比較的高い
アルミフレームの耐久性は比較的高いと言えるでしょう。
上記したとおりカーボンのように小さな傷など予想外のダメージが少ないことがあげられます。
またサビなどで腐食するリスクも低いため、劣化自体は少ない素材と言えます。
ただし、金属である以上「金属疲労」は避けられません。
これは特に体重のある搭乗者が乗った場合に大きく、段差で受ける衝撃などでもダメージを受けます。
とりわけ軽量モデルでは突然フレームのチューブが破断する事故も起きており、これは安価なモデルでも高価なモデルでも起こりえます。
アルミフレームの寿命は3~15年
アルミフレームの場合、2つの寿命を意識する必要があります。
ひとつは破断など破損までの寿命です。
これに関しては使用シーンによるのでなんとも言えませんが、ノントラブルで乗っていた場合15年程度はもったというユーザーが多いです。
ただしアルミはあまり粘りのない金属なので、受けたダメージが確実に蓄積してしまう素材でもあります。
もうひとつの寿命が、新品時の性能を保てる寿命です。
金属は多かれ少なかれ伸びるため、微妙に性能が落ちていきます。
この性能を十分に発揮できるのが3~5年と言われています。
金属で安心感があるからと無理な走行は避けて乗ると良いでしょう。
アルミフレームの高性能化が進む
走行性能にメリットの多いカーボンロードの低価格化が進み、アルミロードはエントリーモデルに追いやられる形で影お落とすかと思われましたが、現在上手く住み分けしています。
現在のアルミフレームは、「低価格」というメリットを逆手にとって「高性能ながら低価格」というラインナップで攻めています。
例えば20万円のカーボンフレームの場合はエントリーグレードという位置付けで、言うならば取りあえずロードバイクとしての性能を保有しているといったイメージ。
一方20万円のアルミフレームの場合、元が安いためシチュエーション別の性能を付与されたミドルグレードのラインナップが並んでいます。
もちろん安さを最大限に売り出したエントリーモデルのアルミロードも多いですが、本格的にロードバイクに乗りたいけど予算が不安というユーザーからすればこれは大きなメリットでしょう。
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ロードバイクフレームとしてのクロモリ
クロモリはロードバイク好きでなければあまり聞きなれない単語ですが、「クロモリブリデン鋼」の略称です。
これは合金の名前で、主に鉄にクロム、モリブリデンなどを合わせた素材の総称です。
クロモリ自体は自転車創世記から使用されている歴史の古い素材で、ロードバイクの素材としては現在は影を落としていますが、自動車部品など様々なシーンで使用されています。
クロモリフレームは独特な設計と強度が魅力
クロモリフレームは総じて細身で直線的な設計となっています。
これはクラシックな見た目を好むユーザーに向けたデザイン性の面と、クロモリならではの強度によるものと言えます。
クロモリは高強度なため細いチューブでも十分な強度を保持でき、また軽量化としても細身のデザインを採用されています。
強度としてはロードバイクフレームに使われる素材の中でもかなり高く、祖父から孫へ60年にわたって補修を繰り返し乗り継がれたクロモリフレームも存在するほどです。
乗り心地としてはかなり柔軟で、乗っていると鉄だということを忘れてしまうほどです。
クロモリフレームの耐久性はかなり高い
クロモリはアルミやカーボンに比べて弾力のある素材です。
このため、フレームチューブや接合面への負担になる衝撃を受け流せるため、耐久性の高さの一端を担っていると言われます。
クロモリは鉄を主体とした合金のためサビに弱い特性がありますが、侵食するほど長く放置しなければ研磨し再塗装することで補修が可能です。
もちろん劣化がまったくないわけではありませんが、万が一接合部にトラブルが起こったとしても再溶接による補修が可能で、寿命はかなり長くなります。
クロモリフレームの寿命は20年以上
クロモリフレームは補修して使用できるため、かなり長寿であると言えます。
仮に補修を前提とせず、通常使用の範疇での寿命で考えても20年程度になるでしょう。
ただしサビに弱いという弱点を考えると、ノンメンテで20年乗るのは困難です。
クロモリらしい長寿を目指すのであれば、サビなどに細心の注意を払い、見つけ次第侵食する前に簡単な補修を施すべきと言えます。
重さに目をつぶれば最高の相棒に
メリットが多いように見えるクロモリですが、唯一の欠点は重さにあります。
軽量化を目指す現在のロードバイク業界としてはこれは無視できないデメリットで、昨今の市場からは徐々に数を減らしています。
ただし、競技を重視しないユーザーからすれば強度が高いというメリットも大きく、根強い人気を誇っています。
かつては安かったクロモリですが、現在は価格が徐々に上がっています。
コストの面、走行性能の面からはデメリットの多いクロモリですが、かつてクロモリを採用していたランドナーが一世風靡したことからもわかるとおり、旅を目的とするユーザーからすれば心強い相棒になるでしょう。
結局どれがいいの?
現存しているからにはそれぞれのメリット、利用価値があります。
それぞれ1台ずつ購入してシーンに合わせて乗り換えれば良いですが、価格を考えればそうもいきません。
ロードバイクの利用シーンを想定した素材選びを提案してみましょう。
レース志向の場合は「カーボン」or「アルミ」
レースを想定している場合、適したフレーム素材はカーボンもしくはアルミです。
カーボンはいわずもがな乗り心地、性能ともに優秀ですが、レースグレードのカーボンロードとなれば30万円前後の予算を見る必要があります。
予算的に厳しいと言う場合には、アルミロードも検討してみましょう。
アルミロードであればレースグレードで20万円程度からあるので、カーボンには劣る場合が多いですが十分レースでも戦えるでしょう。
通勤通学の場合は「アルミ」
通勤通学など普段使いを想定するなら、圧倒的にアルミがおすすめです。
ロードバイクを通勤通学に使用するならその快適性が最大のメリットですが、仮にカーボンロードの場合駐車時にデメリットがあります。
カーボンロードにはグレードの高いコンポを搭載している場合も多いので、これを狙われてしまう可能性が高くなります。
また窃盗されないとしても、もし駐輪場でなぎ倒しに巻き込まれてしまった場合、傷が付くリスクが非常に高いと言えます。
このため日常使いする場合は、なるべく安いエントリーグレードのアルミロードがおすすめです。
ファンライドならどれでも
レースに出るわけでもなく、実用使いでもなく趣味として気軽なサイクリングを楽しむと言う場合には好みでどれでも大丈夫でしょう。
比較的過酷な長距離や登坂などを想定している場合、カーボンロードや軽量なアルミロードがおすすめですし、平地を走るならアルミロード、もし何日かかけて長距離をゆったり走るならフレーム強度があり積載容量の多いクロモリもおすすめでしょう。
ロードバイクを選ぶときにどうしても性能を重視しがちですが、好きなロードバイクを購入して、ロードバイクにあわせたサイクリングをするというのもロードバイクの楽しみの一つと言えます。
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素材別おすすめロードバイク
最後に、「カーボン」「アルミ」「クロモリ」と素材別に選んだおすすめモデルをご紹介します。
今回は初心者向けなので、なるべく低価格で選びやすいモデルをピックアップしてみました。
カーボンロードのおすすめモデル
SCULTURA 4000
引用元:メリダ-MERIDA-
スクトゥーラはメリダが展開するオールラウンドレースモデルです。
なかでもSCULTURA 4000はシリーズでもっとも低価格で展開するフルカーボンモデルです。
使用する材質は上位グレードと同等で、ジオメトリーも上位グレードから受けついた高機能モデルです。
初~中級者向けのフルカーボンロードとしては必要十分な性能を有しているでしょう。
アルミロードのおすすめモデル
CAAD12
引用元: CAAD12 Tiagraキャノンデール
キャノンデールはアルミ製自転車のパイオニアです。
そのキャノンデールが長年開発を続けているのがCAADシリーズです。
CAADのキャッチフレーズは「カーボンキラー」で、カーボンロードを超える高性能を目指したアルミロードバイクです。
キャノンデールのアルミフレームへのこだわりが詰まったこのアルミロードなら初めての一台としてはもちろん、本格的にロードバイクを楽しみたい方へもおすすめです。
クロモリロードのおすすめモデル
FELLEO
引用元: JOB International
ブルーが印象的なジオスのクロモリロードです。
フレームは自転車フレーム製造で著名なCOLUMBUS(コロンバス )製です。
クロモリを専門にするメーカーは数ありますがスポーツ自転車としてのクロモリフレームは少なく、ジオスはその中でも数少ない国内でよく流通しているメーカーのひとつです。